伊丹 万作

映画と音楽

映画における音楽の位置をうんぬんするとき、だれしも口をそろえて重大だという。

なぜ重大なのか。どういうふうに重大なのか。だれもそれについて私に説明してくれた人はない。重大であるか否かはさておき、さらに一歩さかのぼつて音楽は映画にとつて必要であるか否かということさえまだ研究されてはいないのである。

音楽ははたして原則的に映画に必要なものであるだろうか。

だれかそれについて考えた人があつたか。私の見聞の範囲ではそういうばからしいことを考える人はだれもなかつたようである。

青空文庫の作品カード