小栗 虫太郎

潜航艇「鷹の城」

第一編 海底の惨劇

一、海―武人の墓

それは、夜暁までに幾ばくもない頃であった。

すでに雨は止み、波頭も低まって、その轟きがいくぶん衰えたように思われたが、闇はその頃になるとひとしおの濃さを加えた。

青空文庫の作品カード