押川 春浪

黄金の腕環

一 伯爵の別荘

流星の飛ぶのを見るのは、余り気味の好いものでは無い、シーンとした真夜中頃、青い光がスーと天空から落ちて来る有様は、恰も人魂でも飛んで来たよう、それが眼に入った瞬間は、誰でもハッと思い、流星の落ちたと覚しき淋しき場所へは、余程の勇士でも、何うも恐ろしくて行き兼ねると云う事だ。

然るにこの流星に関し、花の様に美しい一人の少女が、世にも面白い手柄を立てた話がある。

処は英国の或る海岸に、一軒の立派な家がある、之れは老貴族松浪伯爵の別荘で、伯爵は極く愉快な人物、それに三人の娘があって、いずれも絶世の美人と評判が高い。

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