梶井 基次郎

青空同人印象記(大正十五年六月号)

忽那に就て

忽那はクツナと讀む。奇妙な名だ。こんな話がある。高等學校では彼も教場を下駄穿きで歩く方だつた。獨逸人の教師が、

「何故下駄で教室へ入るのだ」と或日彼に云つた。

「靴がないのです」

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