中井 正一
図書館に生きる道
人々が自然の美しさの中に見とれるということは、その中に定かではないが、漲っている深い秩序にあっと驚き、その中に、溶け入り、ともに秩序に諧和し、それと一つになり、力がぬけ、それに打ち委す心持ちのことである。
この宇宙に対決するものにとって、一つの、そして、唯一つの驚きは、その中に、測ることのできぬ秩序が、厳しく、その道を辿っていることである。
ときには、それが、混沌と偶然とに見えるときがある。しかし、それは、常に、ポアンカレーがいうごとく「予期しなかった秩序」であることに、人々はさらに驚いたのである。
一片の雪にも、一本の草にも、一匹の虫の眼の組織の中にも、驚くにたえた秩序がひそんでいる。