国枝 史郎

弓道中祖伝

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「宿をお求めではござらぬかな、もし宿をお求めなら、よい宿をお世話いたしましょう」

こう云って声をかけたのは、六十歳ぐらいの老人で、眼の鋭い唇の薄い、頬のこけた顔を持っていた。それでいて不思議に品位があった。

「さよう宿を求めて居ります。よい宿がござらばお世話下され」

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