国枝 史郎

仇討姉妹笠

袖の中には?

舞台には季節にふさわしい、夜桜の景がかざられてあった。

奥に深々と見えているのは、祇園辺りの社殿であろう、朱の鳥居や春日燈籠などが、書割の花の間に見え隠れしていた。

上から下げられてある桜の釣花の、紙細工の花弁が枝からもげて、時々舞台へ散ってくるのも、なかなか風情のある眺望であった。

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