樋口 一葉

反古しらべ

※(ローマ数字1、1-13-21)

虫干すとてかびくさき反古どもあまた取出しける中に、故兄が殘したるくさ/″\の筆記あり、ことこまかにしるしとゝめたるさま、これはそれの夏、腦の病ひおこらんとせし前の月こゝろをとゝめて物しつるなり、今かたつかたハ霜こほる冬のよ、毎よさかならず父母が寐間をうかゝひて裾に物をおき、襖のたてつけをあらためし頃ほひ、今宵ハいと寒きに早く寐よかし風もぞ引くと母の仰せつるに、承りぬとて

※(ローマ数字2、1-13-22)

反古しらべ

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