宮沢 賢治

若い木霊

〔冒頭原稿数枚なし〕

「ふん。こいつらがざわざわざわざわ云っていたのは、ほんの昨日のようだったがなあ。大抵雪に潰されてしまったんだな。」

それから若い木霊は、明るい枯草の丘の間を歩いて行きました。

丘の窪みや皺に、一きれ二きれの消え残りの雪が、まっしろにかがやいて居ります。

青空文庫の作品カード