岸田 国士
上演料の話(仏蘭西)
「フィガロの結婚」は連続七十三回の上演で、作者ボオマルシェの収入が八万九千法。
千九百十年の調査によると、仏国劇作家協会は正会員四百、準会員四千、そのうち、重なる劇作家五百人の中、一年の収入(上演料のみ)十万法以上のもの七人、五万法以上十万法以下のもの八人、二万法以上五万法以下のもの二十七人、一万法以上二万法以下のもの二十八人である。一万法はその当時ざつと四千円である。
同時代の劇作家協会は会員の上演料より徴収する金額一年二百四十万法、その三分の二は僅か七十人からの収入で占めてゐる。
年額二万五千法の救済費は、百四十人の最も収入少き会員に分配せられる。その百四十人の上演料から徴収する金額は年六千法に満たない。