岸田 国士

新劇協会公演に先だつて

新劇協会が、今度、文芸春秋社の手で経営されることになり、われわれは、微力ながら、将来、同劇団の上演脚本選定並に舞台指揮に関して、共同の責任を負はなければならないことになつた。それについて、個人の立場を離れ、同劇団の関係者として、一応、意の在る処を述べて置きたいと思ふ。

一、上演脚本選定について

上演すべき脚本は、国の内外、流派、色調の如何を問はないのは勿論であるが、従来、営利劇場の舞台に容れられないために、其の戯曲的価値が、空しく葬り去られようとしてゐるわが国現代作家の新しい作品を、成可く多く世に知らせたいと思ふ。

 二、舞台指揮について

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