岸田 国士

演劇雑誌

月々僕のところへ来る演劇雑誌が十種あまりある。そのうち純粋に「新劇的」と云へるものは二三に過ぎない。

「テアトロ」はソヴイエート的活気とエスペラント風の超国境性に満ちた研究雑誌であるが、今月は三周年記念号を出してゐる。なかなか啓蒙的ではあるが、一方日本の新劇運動を強引に一色化しようとする気配が感じられる。

×

「劇と評論」は時々調子が違ふので面喰ふ。近頃は評論陣を強化したやうに見える。「音楽と演劇」は杉野氏の薀蓄に聴くべく、スタニスラフスキイの「俳優修業」は好個の参考資料である。戯曲については、この雑誌あたりがもつと新風をもたらしてくれなければ淋しい。

青空文庫の作品カード