岸田 国士

新派劇と新派俳優

自分のことを云つた序に、もう一つ云ひます。

市村座で、拙作「長閑なる反目」が、新派の所謂「若手」によつて上演された。

これが動機で、私は、それらの俳優諸君と話を交へ、なほ、有名な「金色夜叉」の舞台を初めて観た。そして、いろいろなことを考へた。

考へたことをみんな云ふ必要はないが、私の第一に云ひたいことは、新派劇の命脈は将に尽きんとしてゐるに反し、新派俳優の前途は却つて洋々たるものありといふことである。

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