田中 貢太郎
法衣
千住か熊谷かのことであるが、其処に某尼寺があって、その住職の尼僧と親しい壮い男が何時も寺へ遊びに来ていたが、それがふっつりと来なくなった。
尼僧はそれを心配して、何人かその辺の者が来たならその容子を聞いてみようと思っていると、ある日その男がひょっこりやって来た。
「どうしたかと思って、心配してたのですよ」
「少し病気でしてね」
田中 貢太郎
千住か熊谷かのことであるが、其処に某尼寺があって、その住職の尼僧と親しい壮い男が何時も寺へ遊びに来ていたが、それがふっつりと来なくなった。
尼僧はそれを心配して、何人かその辺の者が来たならその容子を聞いてみようと思っていると、ある日その男がひょっこりやって来た。
「どうしたかと思って、心配してたのですよ」
「少し病気でしてね」