村山 籌子

お姫さまと猟師

お姫さまは朝から、大変ごきげんがわるうございました。そして、ぷりぷり、おこつてゐらつしやつたので、いつものかはいゝお姫さまではなくて、年をとつた、おばあさんのやうに、こはいお顔をしてゐらつしやいました。そこへ、お姫さまの大好きな、猟師が山から帰つて参りました。そして、

「お姫さま、今日は何にも、えものがございませんでした。」と猟師が申しました。

「えものがなかつたの?」と、お姫さまはおつしやいました。そして、お泣きになりました。そこで、猟師が申しました。

「それがです。私は、どんと、この鉄砲を打ちました。猟犬のレオは、一散に走つて行つて、えものをくはへて来ました。まあ、おどろくではございませんか、おもちやの熊なんです。そしてそのおもちやの熊は死んでゐました。また、けものが出て来ました。真白な犬位ある奴なんです。これはと思つて引金を引きました。レオは飛んでゆきました。まあ、何となさけないことでせう。白い、小ちやい犬ころでした。

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