村山 籌子
泣き虫の小ぐまさん
小ぐまさんは大変泣き虫でした。朝から晩まで、泣いてばかりゐました。
ある朝、目を覚まして、お床のなかでじつとしてゐますと、ふいに、鳥小屋のにはとりが「コケコツコー。」となきました。それをきいて、小ぐまさんは、つい、貰ひ泣きをしました。が、気がついて見ると、自分ながら、あまり馬鹿々々しいので、かう決心しました。
「にはとりのくせに、なくなんて生いきだ。」
そして、鳥を野原の真中へもつて行つて、逃してしまひました。それからといふものは、いままで、毎朝食べてゐた、おいしい卵を食べることが出来ないので、小ぐまさんは、一日五十匁づゝ、やせてゆきました。