村山 籌子
髪床やの大根さん
今年十になつた、大根さんのお家はお父さんが髪床やさんでした。二人とも、おやさいの中で一番頭の毛が青く立派に生へてゐるので、誰れでも、大根さんの家が髪床やさんをしてゐるのを笑ふものはありませんでした。
大根さんは毎日お父さんが方々の家へ髪を刈りに出張するので、お父さんの後から髪を刈るはさみやバリカンを入れた箱を持つてついて行きました。
ある日、二人は大根さんのお友達の玉ねぎさんのお家へ行きました。そしてお父さんが、玉ねぎさんのお父さんの頭を刈つてゐるあひだに、大根さんは玉ねぎさんの頭をはさみで、ぎざ/\にちよんぎつてしまひました。
玉ねぎさんと大根さんはすつかり困つてしまつて、にかわを買つて来て一本一本つぎたしました。けれども、一本の所へ二本くつつけたりしたので、とても変てこになりました。