村山 籌子
あひるさん の かみのけ
あるところに、大へんおとなしい一羽のあひるさんがありました。ちひさくてまだ手が頭にとゞきません。毎朝髪をゆつてもらはねばなりませんでした。
あひるさんには、おぢいさんだけしかないので、おぢいさんに髪をゆつてもらふのでしたが、おぢいさんは男で、おまけに大へんなとしよりでしたから、あひるさんの髪をあまりハイカラにはゆつてやれないのでした。
毎朝、あひるさんは鏡のまへで、横をむいたり前をむいたりして髪の形をながめましたが、いつでも油で髪がかたまつて、頭のてつぺんの所できつく結はへてあるので、目をしばたたくこともできないくらゐ引きつつてゐるのでした。
ある日、あひるのおばさんが、たづねてきて、大笑ひに笑ひだしました。