村山 籌子

川の中へおつこちたお猫さん

あるところにお猫さんがありました。どういふわけだか、生れつきお家にゐるのがきらひで、いつでもぶらりぶらりと、あるきまはつてゐました。

ある日、お母さんがおつしやいました。

「お猫さんや、今日は少し寒いから、お家にじつとしていらつしやい。」

けれども、お猫さんは、お母さんの姿が見えなくなると、すぐさまお家をとび出して、三町ほどむかふの川のふちのあひるさんのところへ行きました。

青空文庫の作品カード