村山 籌子

きりぎりす の かひもの

ある八百屋さんの店に きうりが山のやうに 積んでありました。その山のてつぺんで 一本の 大きなきうりが ぐうぐう眠つてゐました。初めは 一番下にゐたのですけれども、どんどん仲間を押しのけて、いつの間にかてつぺんによじ上り、いゝ場所をとつて お昼寝してゐたのです。かういふきうりを、横着きうりと言ひます。

そこへ 一匹のきりぎりすが きうりを買ひに来ました。

きりぎりすが、きうりを 大好きな事を 知つてゐる八百屋さんは

「一本四銭よりやすいきうりは 一本もありません。」と倍位も高く 言ひました。

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