土田 耕平

柿

私の村は「柿の木の村」でした。家といふ家のまはりには、大きな小さな柿の木が、立ち並んでゐました。

夏は、村ぢゆうが深い青葉につゝまれ、秋はあざやかな紅葉に染りました。紅葉がちつてうつくしく色づいた実が、玉をつづつてゐるのを見るのは、どんなにたのしかつたでせう。

私の家の庭には、大きな柿の木が幾本もありましたので、家内だけで食べつくすわけにはいきません。山浦のお百姓さんが、稲のとりいれがすんだ時分に、馬をひいて、買ひにきました。

「こんちは、今年もきたぜ。」

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