沖野 岩三郎
愚助大和尚
愚助は忘れん坊でありました。何を教へましても、直ぐ忘れてしまふので、お父様は愚助を馬鹿だと思ひ込んで、お寺の和尚さまに相談にまゐりました。すると和尚さまは、
「其の子は御飯を食べますか。」と、ききました。お父様は、
「はいはい、御飯は二人前ぐらゐ平気で食べます。」と、答へました。和尚様は、又、
「其の子は打てば泣きますか。」と、問ひました。お父様は笑ひながら、
沖野 岩三郎
愚助は忘れん坊でありました。何を教へましても、直ぐ忘れてしまふので、お父様は愚助を馬鹿だと思ひ込んで、お寺の和尚さまに相談にまゐりました。すると和尚さまは、
「其の子は御飯を食べますか。」と、ききました。お父様は、
「はいはい、御飯は二人前ぐらゐ平気で食べます。」と、答へました。和尚様は、又、
「其の子は打てば泣きますか。」と、問ひました。お父様は笑ひながら、