牧野 信一

吊籠と月光と

僕は、哲学と芸術の分岐点に衝突して自由を欠いた頭を持てあました。息苦しく悩ましく、砂漠に道を失ったまま、ただぼんやりと空を眺めているより他に始末のない姿を保ち続けていた。

いつの頃からか僕は、自己を三個の個性に分けて、それらの人物を架空世界で活動させる術を覚えて、幾分の息抜きを持った。で、なく、あの迷妄を一途に持ち続けていたらあの遣場のない情熱のために、この身は風船のように破裂したに相違あるまい。

僕の三個の個性というのはこうだ。

Aは、

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