牧野 信一
塚越の話
一
「塚越の奴は、――教室でラヴ・レターを書いてゐたさうだ――。一体彼奴は、俺達のこれまでの忠告を、何と思つてゐやがるんだらう。失敬な奴だ。」
「彼奴は俺達を馬鹿にしてゐるんだ。その時だけは好い加減に点頭いてゐるが、肚では舌を出して嗤つてやがるんだ。」
「改心の見込はないかな?」
牧野 信一
一
「塚越の奴は、――教室でラヴ・レターを書いてゐたさうだ――。一体彼奴は、俺達のこれまでの忠告を、何と思つてゐやがるんだらう。失敬な奴だ。」
「彼奴は俺達を馬鹿にしてゐるんだ。その時だけは好い加減に点頭いてゐるが、肚では舌を出して嗤つてやがるんだ。」
「改心の見込はないかな?」