牧野 信一

露路の友

一

おそく帰る時には兵野は玄関からでなしに、庭をまはつて椽側から入る習慣だつたが、その晩は余程烈しく泥酔してゐたと見へて、雨戸を閉めるのを忘れたと見へる。

朝、階下の者が慌しく兵野の寝部屋をたゝいて、

「盗棒が入りました。」

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