牧野 信一露路の友一おそく帰る時には兵野は玄関からでなしに、庭をまはつて椽側から入る習慣だつたが、その晩は余程烈しく泥酔してゐたと見へて、雨戸を閉めるのを忘れたと見へる。朝、階下の者が慌しく兵野の寝部屋をたゝいて、「盗棒が入りました。」青空文庫の作品カード