牧野 信一
ダイアナの馬
一
二度つゞけて土曜日が雨だつた。――三木は、雨だつてむしろ出かけたかつたが、青木からの誘ひの手紙に――よく晴れたこの次の土曜日を待つ――といふ念がおしてあるので、二度の日曜日をつゞけて全く孤独の安息で暮した後だつたせいか、今朝起きて、麗らかな空を見出した時には、思はず、
「やあ、愉快だな!」
と、中学生の遠足の日の朝の心地を思ひ出しながら、つぶやいた。「それに、月曜日は祭日ではあるし……」
牧野 信一
一
二度つゞけて土曜日が雨だつた。――三木は、雨だつてむしろ出かけたかつたが、青木からの誘ひの手紙に――よく晴れたこの次の土曜日を待つ――といふ念がおしてあるので、二度の日曜日をつゞけて全く孤独の安息で暮した後だつたせいか、今朝起きて、麗らかな空を見出した時には、思はず、
「やあ、愉快だな!」
と、中学生の遠足の日の朝の心地を思ひ出しながら、つぶやいた。「それに、月曜日は祭日ではあるし……」