牧野 信一
ラガド大学参観記
一
往来で騒いでゐる声が何うも自分を呼んでゐるらしく思はれるので私は、ペンを擱いて、手の平を耳の後ろに翳した。
「誰だな?」
私は呟いだ。私は首を傾げたが、執筆に熱中してゐる頂上だつたので、そんな騒ぎも忽ち私の仕事の世界(Flattering Phantom)と混同されてしまつて、私は眼を輝かせながら更に呟いだ。
牧野 信一
一
往来で騒いでゐる声が何うも自分を呼んでゐるらしく思はれるので私は、ペンを擱いて、手の平を耳の後ろに翳した。
「誰だな?」
私は呟いだ。私は首を傾げたが、執筆に熱中してゐる頂上だつたので、そんな騒ぎも忽ち私の仕事の世界(Flattering Phantom)と混同されてしまつて、私は眼を輝かせながら更に呟いだ。