蘭 郁二郎

秘境の日輪旗

兄のたより

明け方から降りだした雪が、お正午近くになっても、まだ、止まなかった。

灰色の空から、綿をちぎったような雪が、ヒラヒラと舞い落ちては、音もなく積って行く――。今朝、家を出る時には、それほど積っていなかったが、もう、十二、三センチは、たしかにあるらしい。

英夫は、「雪の進軍」の口笛を吹きながら歩いていた。

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