坂口 安吾

総理大臣が貰つた手紙の話

一

いつの頃だか知らないが、或る日総理大臣官邸へ書留の手紙がとどいた。大変分厚だ。危険と書いた道路の建札と同じぐらゐ大きな書体で、親展と朱肉で捺してあるのである。けれども、なんにも役に立たない。

かういふ手紙を読むために一役ありついた役人がゐて、つまらなさうな顔をしながら毎日手紙を読んでゐる。この役人が開いてみると、ザッと次のやうな大意のことが書いてあつた。

二

青空文庫の作品カード