坂口 安吾
月日の話
歳末にコヨミをもらってページをくりつゝ新しい年を考える。
今月の歴史というところを読むと、異様な気がするのである。このことは一般の人々は気付かないことで、それが普通なのだが、小説家、特に歴史小説を書いている私などから見ると、大変奇妙に思われることが多い。
たとえば、義士の討入はころは元禄十四年極月(十二月)十四日とナニワ節にうたわれていることはたれも知る通りである。
けれども、これは太陰暦でいってのことで、今日通用している太陽暦からいうと、たぶん、翌年の一月十何日ぐらいに当るのではないかと思う。