宮沢 賢治

インドラの網

そのとき私は大へんひどく疲れていてたしか風と草穂との底に倒れていたのだとおもいます。

その秋風の昏倒の中で私は私の錫いろの影法師にずいぶん馬鹿ていねいな別れの挨拶をやっていました。

そしてただひとり暗いこけももの敷物を踏んでツェラ高原をあるいて行きました。

こけももには赤い実もついていたのです。

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