久生 十蘭

顎十郎捕物帳

二の字の傷

恒例の鶴御成は、いよいよ明日にせまったので、月番、北町奉行永井播磨守が、城内西の溜で南町奉行池田甲斐守と道中警備の打ちあわせをしているところへ、

「阿部さまが、至急のお召し」

と、お茶坊主が迎えに来た。

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