小熊 秀雄
味瓜畑
(一)
お寺の境内の踊り場で男はさんざんに踊つた、疲れてへと/\になるほどに、呼吸がぜいぜいと鳴りだすほどに手を振つたり足を振つたりした。
その夜は月夜であつたので、踊りの輪をとりまく見物人もなかなか踊り見物を止して帰らうとしなかつたので、踊り子たちも調子づいて安心をして踊つてゐた。
一本の枯れた松の木がぎら/″\白く光つて立つてゐて、その木にもたれかゝつた一人の若い娘さんの、夜眼にも白い細りとした首筋がことのほか踊つてゐる男の眼をひいた。
小熊 秀雄
(一)
お寺の境内の踊り場で男はさんざんに踊つた、疲れてへと/\になるほどに、呼吸がぜいぜいと鳴りだすほどに手を振つたり足を振つたりした。
その夜は月夜であつたので、踊りの輪をとりまく見物人もなかなか踊り見物を止して帰らうとしなかつたので、踊り子たちも調子づいて安心をして踊つてゐた。
一本の枯れた松の木がぎら/″\白く光つて立つてゐて、その木にもたれかゝつた一人の若い娘さんの、夜眼にも白い細りとした首筋がことのほか踊つてゐる男の眼をひいた。