宮本 百合子

日記

二月十日

 二三日前から、東京には珍らしい大雪があった。九日に鎌倉に来ようと云う自分には、少なからぬ事の行違いを生ぜさせるのではあるまいかと危ぶまれた。七日に、戸外では北海道のようだと云う程降雪のある畳廊下で荷作りをして居ると、母上が、止めろと、再三再四云われる。あまり火の気のない廊下は寒いから、一週間程以前からぬけずに居る風邪が、きっと重ると、云われるのである。

丁度泊りがけで鎌倉に行って居た国男も戻り、屡※(二の字点、1-2-22)噂にきく山田氏ツーさん等も見えたので、自分も荷作りを中止して仲間入りをした。

けれども、九日に立つ計画を変えたのではない。

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