宮本 百合子

日記

一月一日(金曜)晴

 昨夜おそいので眠し。然し、今年からは九時起床の約束だから先ず起きる。女中が晴着を着て居るから、まあ正月という気がするが、大して元旦らしくもなし。まねのおとそ。雑煮、それでも色彩だけは仰山な口とりもつけて出した。起きたときは曇って居たがやがてよい元旦となる。小さい一人の男の子「新年おめでとう」「おやすみなさい」と教わったばかりと見えいく度もくりかえして居る声す。温泉宿での元朝は生れて始めての経験であった。年賀のハガキ。自分アドレスが分らずこまるところ沢山、わかって居るのにだけ出した。

一月五日(火曜)雨 寒

 今日は仕事にて、モヤ一人放ぽり出し。

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