宮本 百合子

日記

一月一日(土曜)曇 寒

 ことしから又日記をつける。自分の生活をはっきりさせるために。一日のうち、自分がどんなに生活を営んだかということをはっきりさせるために。去年は、ここの家での生活というものを知らず、生活の本質を知らず、非常に多く労し、多く苦しい思いもし、SKの間で旋回した。今年はそういうことはなくして、自分の勉強や生活態度というものを守って暮す技術を身につけたいと思う。

今年は日記が本やに出ない。仕方がないから三年前の日記をもち出して、つける。曜日が三日前についているのは不便だが。太郎、咲、昨夜おそく赤倉からかえる。太郎の身ぶりが一寸かわっていて面白い。国、昨日午後自分が巣鴨へ行っている間に国府津へ立った。寿に私がいそがしそうにしているのや家のガタガタがいやだから行くと云っていた由。寿二十九日に長者町へ引越し。どうしてもここで年越しはしないとガンばっていたので、ひどい無理をした。が三十日にかえって元旦も食堂のアンカでごろごろしている。

〔欄外に〕

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