織田 作之助

私の文学

私の文学――編集者のつけた題である。

この種の文章は往々にして、いやみな自己弁護になるか、卑屈な謙遜になるか、傲慢な自己主張になりやすい。さりげなく自己の文学を語ることはむずかしいのだ。

しかし、文学というものは、要するに自己弁護であり、自己主張であろう。そして、自己を弁護するとは、即ち自己を主張することなのだ。

私の文学は、目下毀誉褒貶の渦中にある。ほめられれば一応うれしいし、けなされれば一応面白くない。しかし一応である。

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