竹久 夢二

朝

ある春の朝でした。

太陽は、いま薔薇色の雲をわけて、小山のうえを越える所でした。小さい子供は、白い小さい床の中で、まだ眠って居りました。

「お起き、お起き」柱に掛った角時計が言いました。「お起き、お起き」そう言ったけれど、よく眠った太郎は何も聞きませんでした。「私が起して見ましょう」窓に近い木のうえに居た小鳥が言いました。

「坊ちゃんはいつも私に餌を下さるから、私がひとつ唄を歌って坊ちゃんを起してあげよう」

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