木村 小舟

太陽系統の滅亡

新世界建設同盟会=恐怖時代=死世界は活世界となる=エーテルの利用=地球を運搬す=最後の通告=地球の末期

上 太陽滅亡の悲惨

太陽及びその他の惑星は、近き将来に於て滅亡せんとす! との一声は、あたかも響きの物に応ずるがごとく、全世界に向って、電光の速かなるように走り報じたのである、太陽の滅亡! と同時に、全地球上の人類は、我住所の絶滅、我あらゆる者の滅尽を連想して、如何に彼らは、多大の恐怖と、悲嘆とに陥ったであろうか、神経の過敏なる者どもは、この一声の警電を耳にしただけで、すでに生気を絶たれたほどであった。

宇宙は不可解なり、されど不可解だけに、また如何なる世界があろうやら知れない、宗教上に説く所の、天堂極楽のごときも、あるいは我が太陽系統以外の恒星界を意味するかも知れぬ、坐して滅亡の悲運を目前に眺めんよりは、しかず広大なる宇宙に走って、さらに新世界を築かんには!

青空文庫の作品カード