知里 幸恵

手紙

知里高吉・浪子宛(幌別郡登別村)

大正五年十月頃(旭川区五線南二号発信)

拝啓 しばらく御無沙汰いたしました。お父上の御病気は大分よくなったときいて私等ははじめて安心いたしました。秋も早やたけなはとなりまして四方の山は錦を着飾ってだん/″\涼しうなりましたから、きっと病気もよくなるでせうと私も昼夜祈って居ります。母上様も今年は御健康の由、いかもいゝあんばいに沢山とれておあしもたくさんとれゝばいゝと願って居ります。私も無事にて勉学をして居りますから御安心下さいませ。

新聞でも御存じの聯合共進会は八日から開かれました。教育展覧会も開かれました。区内各学校、上川支庁管内の学芸品が並べてありますからまことにりっぱださうです。私も二三日のうちに行って見ます。私の綴方も出て居ます。

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