上村 松園
好きな髷のことなど
茶の袴
私が画学校に行っていた時、学校の古顔に前田玉英さんがいました。その頃二十二、三ぐらいの年頃だったと思うが、画学校では女の生徒に茶の袴を穿かせることになっていたので、私らも茶の袴を穿き、袴を穿くのだからというので靴を買ってもらったことを覚えています。
束髪
その頃、というと明治二十一年頃、えらい何も彼も西洋が流行った頃で、束髪がちらほら出かけていました。後ろを円く三ツ組に編んで網をかぶせ、前髪を切って下げるのが最初に流行った型でした。玉英さんはそうした流行の風をしていられた。私も束髪を結ったことがあります。それに薔薇の花簪など※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)したものでした。