高村 光雲

幕末維新懐古談

それから、また暫くの後、或る日私が仕事場で仕事をしていると、一人の百姓のような風体をした老人が格子戸を開けて訪ねて来ました。

その人は、チョン髷を結って、太い鼻緒の下駄を穿き、見るからに素樸な風体、変な人だと思っていると、

「一つ彫刻を頼みたい」という。

「木で彫る方の彫刻なら何んでも彫りましょう」

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