薄田 泣菫

茶話

堪忍といふ事9・1苦楽

むかし、ある物識りが、明盲の男を戒めて、すべて広い世間の交際は、自分の一量見をがむしやらに立てようとしてはいけない、相身互ひの世の中だから、何事にも、

「堪忍」

の二字を忘れてはならぬと話したことがありました。すると、明盲の男は不思議さうに頭をかしげて、

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