久生 十蘭水草朝の十時ごろ、俳友の国手石亭が葱とビールをさげてやってきた。「へんな顔をしていますね。どうしました」「田阪で池の水を落とすのが耳について眠れない。もう三晩になる」「あれにはわたしもやられました。池を乾して畑にするんだそうです」青空文庫の作品カード