佐藤 垢石

しゃもじ(杓子)

二、三日前、隣村の老友が私の病床を訪れて、例の「しゃもじ」がまた出たという。

貴公が、出あったのか。

いや、僕ではない、近所の青年が度胆を抜かれよった。

さては、彼の狸め、今もって頑健であるとみえるな。

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