佐藤 垢石
水と骨
一
人は常識的には、太平洋へ注ぐ表日本の川の水温よりも、日本海へ注ぐ裏日本の川の水温方が低いであろうと、考えるにちがいない。
ところが、実際は日本海へ注ぐ川の方が平均高い水温を持っているらしい。このことは理学的にも統計的にも、何か責任の上に立って調べたわけではないから必ずそうであるとは断定できないが、私が多年、各地の川を釣り歩いてみて、裏日本の川の方が早く水が温み、そして盛夏の候には表日本の川より水温が高くなることを経験したのである。
水温と釣りには、切っても切れない縁のあるのは誰でも経験している。疑うというわけではないが、川の性質を知ってその川特性の水温を頭に入れながら釣りすることは、また楽しみのあるものである。