平山 千代子
「みの」の死
気狂ひの様になつて帰つて来たゑみやから、「みのが轢かれた」ときいて、私が飛び出して行つたとき、みのは黄バスのガレーヂの傍に倒れて、かなしい遠吠えをしてゐた。
「みの! みの!」私は人前もかまはず、さう呼んで、冷いコンクリートに膝を突いてしまつた。
「みの! どうしたの/\」
美濃は私の声をきくと遠吠えをやめて、チラと私を見上げ、眼を細くして満足の表情を示したが、もう尻尾はふれなかつた。
平山 千代子
気狂ひの様になつて帰つて来たゑみやから、「みのが轢かれた」ときいて、私が飛び出して行つたとき、みのは黄バスのガレーヂの傍に倒れて、かなしい遠吠えをしてゐた。
「みの! みの!」私は人前もかまはず、さう呼んで、冷いコンクリートに膝を突いてしまつた。
「みの! どうしたの/\」
美濃は私の声をきくと遠吠えをやめて、チラと私を見上げ、眼を細くして満足の表情を示したが、もう尻尾はふれなかつた。