平山 千代子
石
私の家に門から玄関まで、ずつと石が敷いてある。
私は、始めは土をふんで歩いた。その頃からこの石とはお馴染である。何度この石につまづいて、口惜しい思ひをしただらう。
「こんな邪魔な石! どけちやえばいゝのに……」と、けとばして見たことも何度かあつた。
この憎まれたり、けとばされたりした、沢山の石の中に、私の好きな石が二つある。一つは玄関近くにあつて、少し青味がかつた……丁度、青磁のやうな色をした、大きい石で、そのきれいな色、なめらかなつやが私の心を牽いた。
平山 千代子
私の家に門から玄関まで、ずつと石が敷いてある。
私は、始めは土をふんで歩いた。その頃からこの石とはお馴染である。何度この石につまづいて、口惜しい思ひをしただらう。
「こんな邪魔な石! どけちやえばいゝのに……」と、けとばして見たことも何度かあつた。
この憎まれたり、けとばされたりした、沢山の石の中に、私の好きな石が二つある。一つは玄関近くにあつて、少し青味がかつた……丁度、青磁のやうな色をした、大きい石で、そのきれいな色、なめらかなつやが私の心を牽いた。