国枝 史郎
他界の味其他
マーテルリンクの諸作、わけても「群盲」や「侵入者」や「タンタジールの死」などには、運命的、象徴的、等々々の味があり、それが凝って、他界的の味となっている。そういう味が、あのまわりくどい、ねばねばとした、もって廻わった白廻わしによって読者に逼まってくる。その逼まり方が、何んとなく猟奇小説的であり探偵小説的である。
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ストリンドベルヒの或る作は、アラン・ポーの影響の下に書かれている、「熱風」「パリア」などは夫れである。そういう作は云う迄も無いが、そういう作で無くても、ストリンドベルヒの作の大方は、他界的の味に充たされている。「死の舞踏」「幽鬼の曲」「ダマスクスへ」等々いずれも然うである。徹底自然主義の代表作だと云われている「ユリエ嬢」「債鬼」などにさえそういう所がある。彼は結局自然主義作家では無かった。そうして彼の作にも猟奇的、探偵的の味が多分にある。
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