長谷川 時雨

あるとき

むさしのの草に生れし身なればや

  くさの花にぞこころひかるる

 と口ずさんだりしたが、

「わたしの前生はルンペンだつたのかしらん。遠い昔、野の草を宿としてゐて、冷こんで死んだのかもしれない。それでこんなに家のなかにばかりゐるのかしら?」

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